
Taro’s Origami Studio、ふたたび大空へ
大規模折り紙インスタレーション、新たな挑戦
Taro’s Origami Studioは現在、これまで以上に大規模なプロジェクトに挑戦しています。6か月以上にわたる企画、デザイン、試作、そして制作期間を経て生まれたインスタレーション作品。
その名は「SOAR」。
英語で「高く舞い上がる」「飛翔する」という意味を持つ言葉です。
アメリカ・テキサス州プレイノにあるSt. Andrew Methodist Churchのために制作する、2,000羽以上の折り紙の鳥を使った大規模インスタレーションです。
このプロジェクトのきっかけとなったのは、アトランタのPeachtree Road United Methodist Church(PRUMC)で制作した、1,000羽以上の折り紙の鳩によるインスタレーションでした。その作品を目にしたSt. Andrew教会から2026年初頭に、「このコンセプトをさらに発展させた作品をつくれないか」とTaro’s Origami Studioに相談が寄せられました。
St. Andrew教会の創立40周年を記念して制作されるSOARでは、鳩とカーディナル(※北米に生息する紅い小鳥)の2種類の鳥を、一羽ずつ手作業で制作しました。
完成した作品は、メインの礼拝堂、Hasley Chapel、Smith Worship Centerという教会内の3つの空間に設置されます。無数の鳥たちが群れとなって空間を彩り、大空へと飛び立っていくような光景をつくり出します。
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ジョージアからテキサスへ
今回のSOARには、アトランタでのプロジェクトで得た経験が大きく活かされています。
アトランタPRUMC教会でのインスタレーション作品は、Taro’s Origami Studioのシニア・デザイナーであるFrank LingとBen Friesenを中心に、教会のチームと共同で2年以上にわたって進められました。
大きな建築空間の中で折り紙をどのように見せるのか。大型の鳩の制作から、吊り下げ方法の試行錯誤、専用ネットの開発、そして1,000羽以上の鳥を礼拝堂の高い天井へ設置するまで、さまざまな技術とノウハウを蓄積しました。
SOARでは、そこで培った大規模制作、空間設計、施工の経験をさらに発展させています。
今回のプロジェクトは、規模が大きくなるだけではありません。複数の空間にまたがる、より複雑なインスタレーションとなります。さらに、アトランタでは鳩のみを使用していましたが、SOARには鳩とカーディナルという2種類の鳥が登場します。
鳩は「平和」を象徴し、カーディナルはSt. Andrew教会やその創設者たちにとって特別な意味を持つ鳥として、作品に地域ならではの象徴性を加えています。
SOARで使用される鳩とカーディナルは、折り紙作家でありTaro’s Origami Studio創設者である、タロー・ヤグチによるオリジナルデザインです。折り紙ならではの幾何学的な造形と、大きな空間の中でも存在感を持つフォルムを組み合わせ、大規模な吊り下げ型折り紙インスタレーションとして統一感のあるデザインに仕上げています。
SOARプロジェクトで使用されている鳩とカーディナルのデザインについては、現在米国でデザイン特許を出願中です。
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作品を空間に合わせる
アトランタのプロジェクトとSOARの大きな違いのひとつが、その規模です。
アトランタでは1,000羽以上の鳩を制作しましたが、今回はその倍を超える、2,000羽以上の鳥を制作します。
すべての鳥は、紙の裁断から折り、羽や尾の成形、吊り下げるための加工、そして設置まで、すべて手作業で進められます。これだけの数になると、一つひとつの折り目や配置、取り付け部分の正確さも重要です。伝統的な折り紙の技術と、大規模な作品制作ならではの緻密な工程管理、その両方が求められるプロジェクトです。
実際の制作に入る前には、シニア・デザイナーのFrank LingがSt. Andrew教会を訪問。実際の空間を計測し、教会内に作品を設置した状態を3Dレンダリングで再現しました。
レンダリング上でも一羽ずつ鳥の位置を調整し、実際の空間でどのように見えるのかをチームで検証しています。
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メインの礼拝堂だけでなく、Hasley Chapelでは既存の電気設備などとの干渉を避けながら作品が自然に空間へ収まるよう、設計に細かな修正を加えました。
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2000羽以上の鳥を作る
デザインが決定すると、いよいよ本格的な制作が始まりました。紙を裁断し、鳥を折り、尾や羽を整え、吊り下げるための加工を施します。この作業はBrooklyn Studioのアーティストたちにより、一羽一羽丁寧に行われました。
2,000羽を超える鳥を制作する今回のプロジェクトでは、チーム全体で膨大な作業を進めています。一羽一羽は小さな折り紙作品ですが、それが数千羽という規模になると、スタジオでの制作は小さな工房というより、一つの大規模な制作現場へと変わっていきます。
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鳥たちを「飛ばす」ための仕組み
鳥を折るだけでは、SOARは完成しません。
もうひとつの大きな課題が、数千羽の鳥を実際の空間にどのように「飛ばす」のかということです。アトランタでの経験を活かし、SOARでは大規模な専用の吊り下げシステムを構築することになりました。
鳥はそれぞれ、大きなネットに取り付けられます。高所作業用リフトを使って一羽ずつ天井付近に設置するのではなく、作業しやすい高さでネット上にまとまった単位で作品を組み上げ、その後ネット全体を最終的な高さまで吊り上げる仕組みです。
一羽一羽の位置もあらかじめ決められています。吊り下げる糸の長さによって鳥の高さを調整し、ネット上の取り付け位置によって群れの中での位置を決定します。
こうして数千羽の独立した折り紙作品が組み合わさり、空間全体を使った一つの立体作品になっていきます。
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ニューヨークからテキサスへ
数か月にわたるデザイン、制作、設計、準備を経て、鳥たちはついにBrooklyn Studioを出発します。
2,000羽以上の手折りの鳥に加え、専用の吊り下げ部品、ネット、支持構造、工具など、長い時間をかけて準備してきたすべてを、ニューヨークからアメリカ大陸を横断し、テキサス州プレイノへ運び込みます。
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現地でのインスタレーション作業は、8月30日の週からスタート。
ブルックリンで一羽ずつ生まれた折り紙の鳥たちが、テキサスの大きな空間でどのような景色をつくり出すのか。
いよいよ、SOARの完成に向けた最後の工程が始まります。
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