このたび、世界的仏教誌 Tricycle: The Buddhist Review Spring 2026号 の表紙に、タローズ折り紙スタジオ創設者で折り紙アーティストの Taro Yaguchi(タロー・ヤグチ) による「Origami Buddha(折り紙仏陀)」作品が採用されました。

さらに誌面内の「Featured Contributors」ページにもTaro Yaguchiが紹介され、制作背景やキャリアについての記事が掲載されています。

タロー・ヤグチ
今号の表紙を飾る仏陀は、折り紙アーティスト兼講師であり、タローズ・オリガミ・スタジオの創設者であるタロー・ヤグチによって Tricycle のために制作されました。スタジオはニューヨーク・ブルックリンと東京・浅草に拠点を構え、世界最大級の折り紙スタジオの一つとして、グローバル企業や文化機関のための作品も数多く手がけています。
ヤグチが折り紙に親しんだのは幼少期のことでした。日本で育ち、祖父は紙業に携わり、母は木彫家でした。本プロジェクトに取り組む中で、母が仏像を彫る姿を見ていた子どもの頃の記憶を思い起こしたといいます。
「母のアトリエの空気感や、木から仏像が立ち現れてくる過程を見ていた経験が、仏教美術に宿る尊厳や静けさへの私の原初的な理解を形づくりました」と彼は Tricycle 誌に語っています。「そうした印象が、聖なる形や瞑想的な作品を折るときの私のアプローチを自然と導いているのです。」
ヤグチはまた、機械工学をバックグラウンドに持つ国際特許弁護士でもあります
。
本記事では、Tricycle表紙制作の舞台裏をご紹介します。
Tricycleとは?
Tricycle: The Buddhist Review は、アメリカを拠点とする国際的な仏教専門誌です。
世界中の読者に向けて、仏教思想・実践・文化を発信しています。
そのSpring 2026号の表紙に、日本の折り紙アーティストによるOrigami Buddhaが採用されたことは、折り紙という日本文化が国際的なメディアで評価された大きな出来事となりました。
Origami Buddha 制作コンセプト
今回のOrigami Buddhaは、単なる抽象的な折り紙作品ではありません。
Taro Yaguchiは「人の姿勢」を重視するアプローチで制作を行っています。
まず坐像の身体構造を折り、その後に別の紙で制作した袈裟を着せる構造を採用しました。
伝統的な仏像の姿勢とバランスを研究しながらも、折り紙特有の簡潔さと静けさを保つことを目指しています。
東京オリンピック(IOC)での折り紙実績
Taro Yaguchiは、東京オリンピック開催時にIOCからの依頼を受け、17種類のピクトグラムを折り紙で制作しました。
それらは大会期間中、公式X(旧Twitter)にて毎日ストップモーション動画として投稿されました。
動きのある人物表現を折る経験は、今回の静かなOrigami Buddha制作にも活かされています。
色とデザインの試行錯誤
制作過程では、
- 金色の仏陀
- グリッター入りの袈裟
- 蓮の台座の検討
など複数のバリエーションを試作しました。

最終的には、主役である仏陀を最も際立たせるために「引き算」のデザインが選択されました。
グラフィックとしての強さと精神性のバランスを追求した結果、シンプルで静かなビジュアルが完成しました。

ブルックリンスタジオでの撮影
撮影はニューヨーク・ブルックリンのスタジオで実施されました。
背景はクリーンでテクスチャのない構成にし、折り紙の立体感と金の反射を丁寧にコントロールしています。
制作工程の一部も撮影され、「折る」という行為そのものも作品の一部として共有されました。

Taro’s Origami Studioについて
Taro’s Origami Studioは、2010年にタローヤグチ/矢口太郎氏によって設立され、ニューヨーク・ブルックリンと東京・赤坂に拠点を持つ、世界最大級の折り紙専業スタジオのひとつです。
これまでに国際的な商業プロジェクト、企業コラボレーション、文化機関向けインスタレーションなど、多数の制作実績があります。
今回のTricycle表紙制作は、折り紙が世界的メディアとつながる象徴的なプロジェクトとなりました。
折り紙が世界とつながる瞬間
紙という最もシンプルな素材から生まれる形が、国際的な仏教誌の表紙を飾る。
今回のプロジェクトは、日本文化としての折り紙の可能性を改めて示す機会となりました。
今後もTaro’s Origami Studioは、Origamiを通じて世界とつながる活動を続けていきます。





























